日本からアメリカへ子連れ移住するとき、沢山の心配事があると思います。
「アメリカ現地の学校の授業についていけるかな?」
「英語が苦手だけど、友達できるかな?」
「日本人だからといじめられたりしない?」
など心配事は尽きませんよね?
私も7年前に夫の転勤で高校生、中学生、小学生の子どもたちを連れてアメリカへ移住して来た時は、子どもたちの事が心配でした。
私と同じように日本から子連れでアメリカに移住し、子どもがアメリカの現地校での授業についていけるか心配。と悩んでいる方の参考になってくれると嬉しいなと思い、アメリカの塾、家庭教師について、どちらが日本人におすすめなのかを私の経験を交えて解説していきます。
(この記事でわかること)
・塾が合う人
・家庭教師が合う人
・何歳から利用するべきか
アメリカの塾と家庭教師!日本人が利用するならどっち?

アメリカには、日本と同じように塾や家庭教師のサービスがあります。私の経験からすると、日本人のお子さんで特に英語が苦手な子は、塾よりも家庭教師がおすすめです。
なぜ、私がアメリカで塾よりも家庭教師をおすすめするのかというと、私がアメリカに移住してきたばかりの頃、高校生の息子は塾に通っていましたが、塾の講師と意思疎通ができず、結局塾を辞めて家庭教師に変更したんです。
塾から家庭教師に変更して息子の成績は見違えるくらい変わりました。やはりそれは、日本語の話せる日米バイリンガルの家庭教師と出会えたから。
結果的に最初に塾を選んでしまったのは、遠回りだったと思っているので、これから塾または家庭教師のどちらかの利用を検討している方には家庭教師をおすすめします。
アメリカの塾は日本語に対応してる?
アメリカの塾の講師は、日本語ではなく英語で子供達の学習を指導します。
地域によっては、日本人の方が経営している塾もあるので、そのような塾は英語、日本語で指導してくれるところもありますが、アメリカの塾では基本的に英語が使われています。
・アメリカの塾の使用言語は英語
・英語以外の言語に対応している塾もある(地域による)
・アメリカの塾に通うには、最低でも日常英会話程度の英語力は必須
私の住んでいる地域、ワシントンDC近郊には日系の塾がありますが、私の自宅からその塾までは車で往復2時間。指導を受けている時間を含めると合計4-5時間を週に何度も通うのは難しかったので、息子は自宅近くにある塾に通っていました。
息子が通っていた塾の講師は全員英語で指導しており、日常英会話もスムーズにできなかった息子は、英語で指導されても「なんとなくわかった気がする。」といった感じで、わからなかった問題が一応わかるようにはなったけれど、完璧に理解できた!といえるような状態ではありませんでした。
アメリカの塾に通うのであれば、塾講師と問題なくコミュニケーションが取れるよう最低限でも日常英会話程度の英語力は必要になってきます。
しかしこれはあくまでも、アメリカの一般的な塾の話で、地域によっては日本人の方が経営している塾もあるので、その場合は塾を検討してもいいと思います。

トマト
アメリカの塾はこんな人におすすめ!
・日常英会話ができる人
・英語で指導を希望の人
アメリカの家庭教師は日本語に対応してる?
アメリカの家庭教師には、日本語で指導してくれる方もいます。基本的には英語で指導する方が多いので家庭教師を探すとき、まず目にするのは英語話者の家庭教師です。
しかしアメリカは多国籍の方が多いので日本語で指導してくれる日米バイリンガルな家庭教師を探す事も難しくありません。
・日米バイリンガルの家庭教師を探すのは難しくない
・アメリカの家庭教師は多言語に対応
私の息子は、英語ではなく日本語での指導が必要だったので、アメリカの塾を辞めて日米バイリンガルの家庭教師を探しました。
日米バイリンガルの家庭教師に教えてもらってから、息子の宿題などにかけていた時間が大幅に短くなっていましたよ。

とてもわかりやすい!と笑顔で話すようになり、口数も増えていきました。
また最初の5-10分間は緊張をほぐすために、雑談をしてほしいと家庭教師の方にお願いしていたので、毎回勉強を始める前に雑談時間をもうけていました。
アメリカに住んでいる息子にとって、普段家族以外の人と日本語で会話をする機会がなかったので、家庭教師の方と日本語で雑談できる時間は、息子にとってとても楽しかったようです。
<家庭教師は、こんな人におすすめ>
おすすめ
・日本語で指導してほしい人
・日本語を話したい人
<アメリカの塾と家庭教師の違い>
塾 | 家庭教師 |
・人前で英語で質問しなければならず緊張する | ・1対1なので、恥ずかしさがあまりない |
・英語力が必要 | ・日米バイリンガルの先生を探せる |
・相性のあう先生を探すのが難しい | ・相性の合う先生を探せる |
・金額の交渉はできない | ・金額の交渉ができる |
・教室へ通う | ・オンライン |
・塾周辺に世界トップクラスの大学がなければトップクラスの大学に通っている指導者に指導してもらうのは難しい | ・世界トップクラスの大学に通っている指導者に指導してもらえる |
アメリカと日本の塾の違いとは?

アメリカの塾は少人数制で指導しており、日本の塾のように大人数での指導体制は取っていません。
アメリカの塾は、教室へ通うのが一般的。オンライン授業に対応している塾も一部ではありますが基本的には教室へ行きます。これは、日本の塾と変わりません。
アメリカの塾は、月謝制ではなく時間制。日本の塾のように、毎月決められた授業料を支払いません。学年によって1時間あたりの授業料が変わることもなく、小学生から高校生まで全学年一律料金。
アメリカの塾
・少人数制
・基本は教室へ通う
・授業料は時間制
・全学年、授業料は一律
私の子どもが通っていた塾は、マンツーマン指導もしくは1対3のグループ指導の体制をとっていました。指導者1名に対して生徒3名。それぞれやっている科目も違えば、学年もバラバラ。
また、グループ単位で部屋が分けられているわけでもなく、50畳ほどの広さの部屋に各指導者ごとにスペースが区切られ、机と椅子が配置されていました。
私が見学に行った他の塾は、各グループごとに部屋分けされており、それぞれの部屋で勉強している塾もありましたので、そこは学習塾によって異なります。
指導人数に関しては、見学先の塾も同じような少人数制の指導体制でした。アメリカでは、日本の学習塾にあるような1クラス10ー30名の大人数での指導体制をとっている塾は少ないです。

トマト
アメリカでは、学習塾に通っている子供が少ないので、日本の塾のようにクラスを分けて指導することが難しいのかもしれません。
アメリカにも塾はありますが、日本のようにあちらこちらに塾があるというわけではなく、塾の数は圧倒的に日本のほうが多いです。
私の子どもたちが通っていたアメリカの塾は、通う日数、曜日、時間も特に決まっておらず、希望する日に空きがあれば、予約できるシステムでした。
子どもが学校から帰ってきて、「今日の宿題でわからないことがある」と言ってきた場合、塾に電話連絡し空いている時間にその日のうちで対応していただいた事もありました。柔軟に対応してくれたことはとてもありがたかったです。
アメリカ | 日本 | |
人数 | 少人数1-3名 | 少人数または 大人数(10-30名) |
授業日数 | 決まっていない | 決まっている |
指導方法 | 各自やりたい科目 | 全員同じ科目 |
費用 | 時間制 | 月謝制 |
指導料 | 全学年一律 | 学年によって異なる |
塾の数 | 少ない | 多い |

アメリカの塾や家庭教師は何年生から利用した方がいい?

アメリカの塾、家庭教師は、中学生から利用するのがおすすめ。その理由は、中学生から高校の科目を選択できるからです。
アメリカの学校は、生徒のレベルに合わせて授業を選択することが可能。生徒によっては、中学校在学中から高校の授業を選択している子も多く、高校生と同じ教室で学んでいる中学生も決して珍しいことではありません。
高校の授業の成績は、GPA(高校で取った科目の平均値)として数字で表されます。大学出願時に提出する書類として推薦状、エッセイなど、いくつか必要となってきますが、その中でもGPAは大学の合否を決める際の審査基準になるのでアメリカではとても重視されています。
中学校在学中に高校の授業を選択した場合でも、その時の成績はGPAに加算されることになるため、中学校在学中からしっかりと学習に取り組むことが大切です。
中学生から塾へ通うことをおすすめする理由
・中学生から高校の科目を選択できる
・中学生で高校の授業を選択した場合でも、GPAに加算される
・GPAは大学出願時に最も重視される
私の息子が、中学校在学中に高校の科目であるgeometry(数学:幾何学)を選択した際、カウンセラーやgeometryの先生から「GPAにgeometryの成績が含まれるから、悪い成績を残さないように頑張って勉強してね!」と言われました。
また、中学校在学中に高校の科目を取る場合、希望の教科の現在の成績を中学校の先生が確認し、その先生から高校の科目を取ってもいい、と判断された場合のみ高校の科目を取ることができます。

トマト
中学校在学中に高校の科目を取るのも大変なのよね。。
アメリカではGPAはとても大事なので、もし中学校在学中に高校の科目を選択する場合は、アメリカの塾や家庭教師を中学生から利用した方がいいです。
アメリカの大学に出願する際、エッセイも重要になってきます。普段、塾や家庭教師を利用していないアメリカ人の方も塾でエッセイの書き方を教えてもらうためだけに塾でエッセイ対策講座を受講している方もいます。
アメリカの塾は350万円
アメリカの塾の授業料は、月謝制ではなく時間制。
例えば、うちの子供たちが通っていた塾を例にすると...
100時間、300時間、500時間などまとまった指導時間を入塾時に購入。購入した時間が多ければ多いほど1時間当たりの指導料金が安くなるシステム。
だから、まとまった時間を購入したほうがお得になるわけなのですが。。。高い!
うちは子供達の学校の成績にかなり不安があったので500時間購入しました。500時間購入すると1時間あたり50ドル、今のレート(138円)で計算すると約7000円くらいの指導料。それに使用できるのは、1回最低でも2時間以上から。
500時間購入した場合
1時間=50ドル
138円レートで計算=7000円
毎回予約をするときは、予約に最低でも必要な時間、2時間で予約をしていたので、
50ドル×2時間=100ドル
1回の授業2時間=14000円。

うちは、500時間購入していたので、25000ドル(350万円くらい)
軽自動車なら新車が買えてしまう価格。それを10か月で消費しました。トホホッ
500時間以内の購入の場合
購入時間が少ないと1時間あたり80ドル以上(約11000円)
80ドル×2時間=160ドル
1回の授業料=22000円。
塾の代金は高額ですが、私の子供達が通っていた塾は、購入した指導時間のシェアが可能だったので、兄弟で時間を分けて使用することができた点はとても助かりました。
家庭教師は指導者の出身大学によって金額が異なる
アメリカの家庭教師は、指導者の経験や出身大学によって金額がかなり異なります。
教員を退職され、家庭教師として再び子ども達を指導している元教員の方も多くいますし、現役で教員として働いている方が、家庭教師のアルバイトをしている事もよくあることです。
私も娘が小学生の頃、お世話になっていたESLの先生から「夏休みに家庭教師としてアルバイトできるよ」と連絡をもらったことがあります。
日本では、現役の小学校教諭が家庭教師として、子供に指導してくれるなんて考えられない事ですが、アメリカでは現役の教員が家庭教師としてアルバイトをするのはごく普通のこと。

現役の教員、それも子供が通っている学校の先生に家庭教師を引き受けてもらえるなんて最高!
アメリカの家庭教師の相場は、1時間あたり20-40が相場。
しかし、名門大学に通っている現役大学生の場合は相場よりも高額に!UC系列などパブリックアイビーと呼ばれる大学の現役学生の場合は、40-70ドル。ハーバードなどアイビーリーグと呼ばれるレベルの大学では1時間あたり70ドル以上。
<アメリカの家庭教師の相場>
・アイビーリーグ/名門私立大学(ハーバード、MITなど):70ドル以上
・パブリックアイビー/名門州立大学(UC系列など):1時間あたり、40-70ドル
私の息子が高校生の時に指導をお願いしていた家庭教師は、現役のハーバード大学の生徒さんでしたが、1時間あたり120ドルでした。
毎回2時間お願いしていたので、1回あたり240ドルの指導料をお支払いしていました。日本円に換算すると2時間で3万円程と高額。
しかし、日本語が話せて、教え方もとても丁寧な方だったので、息子の成績は塾に通っていた時よりもかなり上がっていましたよ。
まとめ
日本人がアメリカの塾や家庭教師を利用する場合、英語力によって利用した方がよいサービスは異なります。
英語に自信のある方であれば、塾の利用でも十分です。しかし英語に自信がない方、日常英会話も少し難しい方は、日米バイリンガルの家庭教師を探す方が学習の理解度が深まる。
また、英語に自信のない方でも、学校に通いながら、数年家庭教師に指導してもらっているうちに英語が上達してくるので、その時に家庭教師の利用から塾へ切り替えるのも良いと思います。